新しい住宅プロジェクト
「大きなすきまのある生活」
間口3600奥行8300、たった9坪の敷地。
その、たった9坪だからこそ起こりうる豊かな生活とはなにか。
階段(上下の移動空間)と、室(生活の基本行為の空間)の関係を考えることからはじめた
小さくてダイナミックな住宅の提案です。
小さな面積の敷地に、ある程度の高さをもって建つとき、
階段はとても大きな存在になります。
その存在に室が圧迫されないように、
そして階段が移動のためだけの空間に留まらないように、
どのように関係をもつことがよいのか、
ということから
階段と室、それぞれが独立したボリュームをもつ構成にしました。
敷地の条件に添うように、
階段のボリュームは建物幅900(900棟と呼びます)、
室のボリュームは建物幅1500(1500棟と呼びます)、
それぞれ敷地の奥行き方向に長くとり、
その間に「すきま」のような空間を残して配置します。
各棟の行き来は、「すきま」のテラスを通って繋がります。
風や光も「すきま」から取り込みます。
また、2棟の開口の位置を重ね合わせることで、
視線の抜けや、窓越しの風景に何かが起こりそうな予感がしています。
900棟の断面模型
階段が立体的に伸び、
収納、トイレ、お風呂の機能も入ります。
1500棟の断面模型
各層がワンルームの生活の場が入ります。
すきまを一歩通って棟を渡り生活が繋がること、
2棟の開口の位置が重ね合わさった向こう側の手の届きそうな風景がみえること、
その感覚的「広さ」と 物理的「近さ」がもたらす生活は、
自由で伸びやかに生活の域を広げる。
現在、お施主様と生活の具体的なイメージをしながら、
新しい生活の広さと近さと発見をしつつ進行中です。
まんぎょく