オンデザインの暮らし

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石巻2.0「復興民泊」について

こんにちは。勝邦義です。

今日はオンデザインが参加している石巻2.0のプロジェクト「復興民泊」を紹介します。

かつて北上川の河口に奥州と江戸をつなぐ東北随一の港を擁していた石巻中心市街地は、海運業で栄え、近世では牡鹿半島の先端に位置する金華山参りの中継地点としても栄えていました。


近年、郊外型のショッピングモールが対等し、バイパス周辺の蛇田や中里地区に人口が移動し、古くから海運業で栄えた街の中心は、津波が来襲した震災の前から空洞化していました。





津波が来ても来なくても石巻中心市街地はあと数年で終わると思っていた。」
石巻中心部の被災した商店主たちから口を揃えて出た言葉のひとつでした。





震災後、中心市街地のホテルは復旧作業のための建設関係者や公的機関関係者で満室になり、車で1時間ほど離れた仙台で宿を確保するしかなく、ボランティアで訪れた人たちや、仕事や取材で訪れる人たちの滞在場所の確保が困難になった状況がありました。


「復興民泊」は中心市街地にボランティアで訪れる人、何か活動を計画している人、イベントにやってくる人といった来街者たちに滞在場所を提供します。


街なかの被災した建物の二階部分などに使われないまま放置されていた空室物件に着目し、簡易なセルフリノベーションをかけることにより来街者の滞在拠点として再生させています。




物件オーナーさんから使用していない部屋を借り、石巻2.0が利用者との窓口になることによって去年9月のスタートより延べ約800人に利用されています。
また利用料をオーナーさんに義捐金という形で還元しています。



街の一角にあるインフォメーションで鍵を受け取り、そこから部屋に歩いてチェックインします。
ホテルのようなサービスも設備もないので、利用者たちは必然的にまちにとびだし、街全体を滞在する場所として捉えます。近場の商店で雑談交じりにタオルなどを買い、
街のおばちゃんがやっている定食屋でご飯を食べ、夜は復興バーで復興の現在を話せます。
街のくらしや日常に入り込むことで、石巻の復興まちづくりに触れられます。

また寝具やクリーニングを街なかの事業者さんに発注することにより商店街の経済活動に寄与することも狙っています。



石巻2.0のキーワードのひとつは「ヒトの誘致」外部の人間を巻き込んだまちづくりを通して、「石巻を自分事に感じる人」を増やし、石巻に興味を持った人たちを交流人口として、彼らが気兼ねなく何度も街にやってくる仕組みを考えています。


勝 邦義