大きな家のご紹介
みなさま、こんにちは。
久方ぶりのブログ更新となります、中川です。
さて、突然ですが、この大きな家をみなさま、ご存知でしょうか?
アパートでも、シェアハウスでも、下宿でもなく、
とある1家族の専用住宅です。
さて、どんな家族なんでしょう....?
都内に計画された、9人家族の住宅です。
2世帯住宅と思いきや、核家族で、
7人兄弟+お父さんお母さん、とても仲良しです。
1年に一度は家族全員で旅行に行かれるそうです。
いまだかつて、ご自分の家の解体時に、
壁に別れの言葉(+落書き)をしているのを、
目撃したことはありません。
この家族は、一番下のお子さんもすでに高校生ということで、
個々人全員が、ある意味独立して、社会と関係をもっています。
このプロジェクトほど、
「家族という人の集まりってなんだろう...?」と
考えるに適した計画はありません。
家族だけど、人数の多さゆえに、適度な距離があり、
他人よりは、あたたかくゆるいまとまりがある。
そんな人の集まりには、
「私の家」が集まった結果、「私たちの家」となるような、
集まった個性が、1つの建築として建ち現れるような状態を
提案したいと考えました。
9人それぞれの個室(模型向かって左上)と、
リビング(模型向かって右下)があります。
RC造のリビングから飛び出したスラブに、
木造の9つの箱がのっている、という構成です。
この家にとって、リビングは、
家族という1つのコミュニティのための場所であると同時に、
びっくりするくらいの頻度で入れかわり立ちかわり訪れる
さまざまな近所の方を迎える応接室のような役割を果たします。
9つの箱は、9個というより、9戸。
9人の個室......というより、9戸の家のようです。
実は、そんな考えを、設計段階からお施主さんと共有するために、
模型も各戸の集まりである、というつくり方をしています。
.....9戸の家を打ち合わせる際は、
ほぼコーポラティブハウスのような様相です。
建築において、
家族と家と社会の関係性いうのは長年のテーマであり、
プライベート/コモン/パブリックという図式についても
数多くの議論がされてきました。
パブリックというのは、群衆に対するシンボリックな状況だけではなく、
プライベートを少しずつひらいていった延長にも
あるのではないかと思うことがあります。
そんなパブリックは、
生活や住むという、日常の実感の先にあるのではないでしょうか。
大きな家の現場レポート、近日公開→→→
なかがわ