暮らしの彩り
こんにちは。
今回は、初夏に竣工した住宅、“暮らしの彩り"をご紹介します。
この住宅は、四周囲われたコンパクトな住宅地におけるLDKのかたちとは?
ということを探ったプロジェクトです。
設計初期段階から、今回のLDKに求められた機能は多様なものでした。
・家族が集まる
・キッチンがメイン、
・且つワークスペースとして、来客の多い。
・何より明るく風の抜ける
・・・・・
▽設計初期平面スケッチ
"LDK"と呼ぶ、ワンルームがつなぐ未来の出来事はとても不確定で、
昨今、住宅のかたちの多様化が進む中、家族だけでなく、
特定多数の人も過ごすという暮らしが外にひらかれるような、
そんな印象がありました。
目指したのは、人が集まる場として、環境としてのワンルームです。
ひなたぼっこをするようにそこに座る人がいれば、木漏れ日の下でごはんを食べる人がいて、
風の心地良さに導かれるように昼寝をする人がいて。。。
そんな、
誰もが過ごし方を知っているようでいて、過ごしかたを限定しないワンルームを目指しました。
△LDK模型写真
このワンルームの気積の輪郭は、内側からどう外にひらくか ではなく、
光や風やまちという、 外 をどう残すか と、
壁をはめたり外したり、壁の幅を大きくしたり小さくしたりと、
検討されました。
△全体模型写真:諸室は、小さな家のようにLDKに隣り合っています。
竣工した内部には、
天気や時間、季節で変わっていく日差しの移ろいや、
1階高さから見上げると捉えられる空模様や、2階高さですっと入ってくるまち身近さも、
壁に沿う一枚の板に座ると抜ける心地良い風が感じられました。
△風の抜けが心地良いベンチがあります。
目線の高さの壁は、棚をつけたりフックを掛けたりと手を入れやすいよう、合板仕上です。
また、TVや机等、LDKの機能も持った暮らしの手がかり壁にもなります。
△2階諸室につながる廊下は、日当りも良く外に出たベランダのようにも感じられます。
△諸室側からのぞくLDKです。
家の中にもある、小さな“個”と“公”の関係です。
諸室→LDK→まち→LDK→諸室と、スケールを横断したような広がりが感じられます。
LDKという機能以上に、人の集まる場としての気積が
これからの暮らしの変化をどのように受けとめ、彩られていくのか、
変遷の様子が楽しみです。
かみなが