オンデザインの暮らし

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オンデザイン的設計の進め方2、住宅/基本設計〜実施設計〜見積編


先日突然はじまりました「オンデザイン的設計の進め方」シリーズですが、
全3回のうち、今回は第2回、住宅/基本設計〜実施設計〜見積編です。

前回は 10.まででしたので、今回はその続き 11.からです。




11.
いよいよ基本設計が本格スタートです。
お施主さまより、プレゼンを受けて頂いたご意見、ご要望に、
提案内容をすりあわせ、ひとつの提案にまとめていきます。
3週間〜4週間に一度のペースでおよそ3〜4回に渡り基本設計の打合せを重ねます。
打合せの度に、必要であれば模型を修正し、お施主様との共有を計ります。
基本設計では、空間構成のおよそのFIXを目標としています。
間取り、天井の高さはもちろん、開口部(窓やドア)の位置も決定していきます。
お施主様、オンデザインとも、建物が実際に敷地に建ちあがった時の姿や
使い方をイメージしながら、設計を詰めていきます。

12.
基本設計がまとまった段階で、実施設計に移行します。
使い方をイメージしながら進めていた設計を、
実施設計では、現実にどう実現していくかを考えます。
ここから、構造設計者に入って頂き、部材寸法や構造フレームの検討を相談しつつ、
建物の耐力について検討していきます。
また、実際に使用する素材や衛生設備機器を決定したり、空調、電気系統、配管などの
設備についても検討していきます。
実施設計は、標準では4〜5回、ペースは基本設計と同じく3週〜4週に1度です。
毎回テーマを決めて、その項目を具体的に決定していきます。

13.
実施設計第1回打合せ:テーマは「素材と衛生設備」です。

素材では、内装、外装すべての仕上材料に関して、
ご要望をあらかじめいただいている場合はそれをふまえて検討し、
現物のサンプルを何種類も取り寄せてご提案します。

衛生設備では、いわゆるトイレ、洗面器、水栓、浴槽、シャワーなどの
設備機器に関して、実際どれを採用するか、各設備のサイズや得手不得手など
鑑みて、ご提案します。

また、熱源に関してもご要望を伺います。
以前は、ガス給湯器か、オール電化エコキュート)かくらいだった熱源ですが、
今では、ガスと一言でいっても、エコウィルエネファームなど発電できるもの、
エコジョーズという家計にやさしいもの、ハイブリット給湯器という
新発売の製品などたくさんあり、当然値段も設置必要スペースも異なるので、
早めにご相談します。

ちなみに、ここ最近ソーラー発電に関心を持っていらっしゃるお施主様も多いので、
その場合は発電量、助成金、回収するまでにどれくらいかかるのかなどを検討し、
提案書をご用意します。

14.
実施設計第2回打合せ:テーマは「キッチンと収納」です。

キッチンは、お施主様がこだわりをお持ちの場合と、それほどでもない場合との
幅が大きな部分です。
こだわりをお持ちの場合は、オーダーキッチンメーカーに事前に提案や
見積の相談をし、一緒に内容を検討してもらいます。
それほどでもない場合は、既製品で機能的なものをご提案したり、
簡単な大工造作で作ることもご提案し、
キッチン以外にお持ちの他のこだわりポイントに比重を持ったらどうかお勧めします。
天板や面材のサンプルを取り寄せたり、写真にてイメージを共有したり、
ショールームにもご一緒して相談していきます。

収納は、棚板の枚数や奥行きや素材、そこに扉はつくのかつかないのか、
どのようにすれば使い勝手がよいのかなど、具体的に収納するものをイメージして頂き、
模型や図面でご提案、ご相談します。

15.
実施設計第3回打合せ:テーマは「照明とコンセント」です。

照明計画では、照明器具や個数、電球の種類、スイッチの位置、
調光器の有無などのご提案やご相談をします。
建物の光は、実際の敷地の方位や周辺建物、立地にも大きな影響を受けるため、
模型でも図面でも実際どうなるかを100%シュミレーションすることは難しいのですが、
なるべくイメージの共有を図れるよう尽力します。
コンセント計画では、基本設計時よりどう扱うかを考えていたTVやエアコン、
台所用品などの生活家電を具現化するテーマであり、
どこで、何を、どうやって使うか、をイメージしていただきながら
打合わせをしていきます。
(ご要望によっては音響機器なども含まれます)
テレビや通信設備については、アンテナか、光ファイバーか、
ケーブルテレビを入れるかなどをお施主様から御要望いただきます。

16.
実施設計第4回打合せ:テーマは「展開図による全体確認」です。

展開図とは、建物内の全壁面を各部屋ごとに図面化したものです。
例えば四角い部屋の場合、平面図でいうと上の壁をA、右の壁をB、
下の壁をC、左の壁をDとし、各壁面のどこに、棚やコンセントやスイッチや扉や窓や
設備が付くのかを確認していただきます。
初見では、なかなか読み込むのが難しい図面(のはず)ですが、
中には、こちらで提案させていただいた図面をご自分で修正し、送って下さる方もいます。

17.
見積図をまとめる。
基本設計、実施設計で打合せし、共有してきた内容を、
全体の整合性と微調整をはかりながらまとめるために、少しお時間頂戴しつつ、
見積図という図面一式にします。
その見積図を工事見積を依頼する工事会社に図渡しし、
だいたい3週間くらいの期間で、見積書を作成してもらいます。

18.
見積書アップ。
慣れてはいけないのですが、お施主様のご予算よりも見積金額がオーバーしていることがほとんどです。
私たちは、動じずに、なるべくお施主様のご要望を崩さないよう、減額の調整をしたり、
それまでの見積図には盛り込まれていなかった追加の項目を調整します。
減額のご提案時には、中止や変更の項目、それに伴う減額がいくらなのかをご提案します。
減額調整時、お施主様は非常に悩まれながら、一緒に検討をします。
工事見積書を作成していただいた工事会社にも、相談に乗っていただきます。
見積調整は非常にシビアな作業です。

19.
減額項目、追加項目、最終予算など、見積調整の方向が固まった段階で、
工務店さんに再見積を依頼します。
再見積のアップは、およそ2〜3週間後となります。

20.
再見積の金額、内容を確認し、
目標額よりもオーバーしている場合は、18〜19を繰り返し行います。
目標額に収まっている場合は、工事監理者となるオンデザイン立会のもと、
お施主様と工事会社が工事請負契約を結びます。
いよいよ着工が見えてきて、現実味を増してきます。


ーーー
次回は、いよいよ最終回、住宅/確認申請〜着工〜竣工編です。
お楽しみに!


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