キュレーターと家
キュレーターであるクライアントとの対話を通してできた住宅。
クライアントは書物と美術品を多数所有されているため、
それらを収蔵あるいは展示できるスペースと
日常生活のスペースとの両立が要望としてありました。
ここではその両者をこの住宅にとっての日常/非日常と簡潔に読み替え、
単純な家型の外壁とその内側に廊下であり階段室でもある2つの吹き抜け
を持った収蔵展示空間を配置する空間構成としました。
「収蔵」と「展示」というどちらかといえば公共的な機能を、
個人住宅という私的な空間の内側に差し込むことで、日常の最中に非日常が
訪れる、私的だけど公共性も帯びた不思議な家が生まれました。
「日常/非日常」「モノ/ヒト」「私的/公共的」を行ったり来たりできる。
これがこの住宅にしか存在しえない生活価値だと考えています。
ここはモノを収集しモノを展示する家、ストレージギャラリー。