オンデザインの暮らし

オンデザインの日々や、暮らしの中での発見 を紹介しています

ON DESIGN 'PRINT'誕生秘話の巻

オンデザインでは、お施主様にその物件の
コンセプトをまとめたビジュアルブック、その名も
「ON DESIGN 'PRINT'」を、差し上げています。
(先日このブログにアップした「ON DESIGN 'PRINT'」は、
その一冊一冊の抜き刷りをまとめた総集編のような本です)


今でこそ、当たり前のようにオンデザインでは一般化されている
「設計提案を図面だけでなく、絵や言葉でビジュアル化し、
お施主様にプレゼントする」というシステムは、2007年から
オンデザインで導入されたもので、[steep_roof]は、記念すべき、
「ON DESIGN 'PRINT'」第1号です。





プレゼン本をつくろうという企画は、突如巻き起こり
勝手もわからないまま、完全に暗中模索という感じではじまりました。


入社当時、実施図面の書き方がわからない私の主な仕事は、このプレゼン本
のつくり方を模索することでした。
学生のときには当たり前に経験していた「プレゼンをつくる」という作業は、
実際に勤めてからは、それが仕事になるか否かの、ひとつの工程であり、
当たり前ですが、本当にお施主さんがいて、だいぶ生々しく、かつ非常に
シビアだということを身にしみて感じました。


その時の「どうすれば人にこの設計を理解してもらえるだろうか」と考え続けて、
夢にまで出てくるような切迫した経験が、その後の設計活動に多大なる効果を
与えていることは言うまでもありません。


まず、どうすればいいかわからないなりに、
とりあえず、図面や模型写真だけではなく、スケッチを描いてみようということになりました。


そして、描くなら、
なぜその設計になったのかを、お施主様とも共有できたらいいのではないか、ということで、
更地の状態から描き始めました。

道路と反対側に豊かな保存緑地帯がある敷地だったので、
その緑を建物からどうみるかという大きなテーマがありました。

家の中のどこにいてもその緑が見える、という状況が、
ここで暮らす上で、とても豊かなことではないか、というアイデアが生まれました。


そのうちに、道からの視線ということが、話にあがるようになりました。


たとえ、建物が建ったとしても、道行く人も、
建物越しにその緑を望めるというのは、
街にとって、豊かなことではないか??


そして、家の中のどこにいても、道を行く人も、
緑を享受できるように、高さをずらしながら大きな窓をあけるという全体が生まれました。


そして、プレゼンが通り、めでたく翌年、この物件は竣工します。
次回、竣工写真公開の巻。お楽しみに!!


なかがわ