テレワークの実験 〜雑談やランチのための「Zoom職場」の作り方と使い方〜
オンデザインがテレワーク(在宅勤務)を本格導入して、2週目に入りました。
いま特に気を使っていることのひとつに、「テレワークだからこそ、スタッフ同士のコミュニケーションを図る」ことがあります。
Web会議ツールの「Zoom」で「オンライン職場」を設置して、朝礼やランチ会、ラジオ体操などを実験的に試しています。
そんな社内コミュニケーション専用の「オンライン職場」の活用例と設置手順を、記事にまとめました。
オンデザインの新しい「日々と発見」をどうぞご覧ください。
(追記。Web会議での工夫をまとめたテレワークの実験 〜Zoom会議での工夫〜 - オンデザインの暮らしも合わせてどうぞ!)
スタッフ間で試しているアイデア
オンデザインが「オンライン職場」を活用して試していることを紹介します。テレワーク導入直後のまだ慣れてないタイミングだからこそ、ちょっとした工夫が活きてきます。
ゆるめの朝礼
毎朝の始業時間に10分程度、仕事仲間と顔を合わせて会話します。
話す内容は、臨機応変に考えています。事務連絡や当日の予定の確認のほか、雑談機会が減っている時は、仕事以外の話をする時間もつくります。「家にあるわたしの好きなもの」をテーマに話したら、お互いの意外な一面が垣間見えて楽しかったことも。オンデザインは人数も多いので、全体連絡のあとは「ブレイクアウトルーム」という少人数グループをつくり、全員が発話できるようにしています。
スタッフ間のコミュニケーションを図りつつ、一人ひとりがオンラインツールに慣れ、今までは通勤時間に無意識的におこなっていた「仕事モードへの切り替え」にもなる、一石三鳥の時間です。
ランチ会
オンデザインは何人かで昼食を買ってきて、社内でみんなで食べるのが日常でした。それをそのままオンラインでやってしまおう、という発想です。
昼休み時間を決めてアナウンスし、互いにランチを持って画面の前に集合します。ちょっとした仕事の相談から、最近あった笑い話まで。慣れると会話がはずんで結構楽しいもので、午後の仕事の活力につながります。むしゃむしゃがついているところを見られたくない人は、画面をオフにするなど工夫しています。
飲み会は家族参加OKで
年度末だったこともあり、歓送迎会をやってみたところ、リアルとは違った楽しさがありました。
退職者の挨拶は画面共有を生かしたプレゼンテーション風に。でも、リアルな飲み会での挨拶と違って、聞いている側は気軽に、箸を止めず食べながら聞けました。
また、自宅参加が基本になるので、家庭との両立がしやすく、遠隔地に出向中でも参加できる、などの利点もありました。互いの家族を知って一層の親近感が湧いたり、懐かしい顔に会えたり。
ただしこれは、職場がプライベートに入っていくことも意味しています。参加や家族紹介は強要せず、子どもの声や生活音にも寛容になるなど、ここと良い時間を過ごせるよう心がけると良さそうです。
ラジオ体操
通勤がなくなって運動不足になったのか、ぎっくり腰を発症したスタッフも。これはまずい、と、一部スタッフはラジオ体操をやっています。音楽と動画を画面を共有し、それを見ながらみんなで体操します。「画面の音・動き」と「みんなの動き」のタイムラグは、あんまり気にしないようにしましょう。せっかくなので、各地の方言バージョンを楽しんでいます。
コワーキングスペースとして
「他人の目がないと集中できない」という人向けのアイデア。オンデザインも関わっている「さとのば大学」というプロジェクトの仲間内で、よく実施しています。
個人作業がある何人かでZoomに入り、冒頭で互いに「今からこれをやる」と宣言して、つなぎっぱなし状態で黙々と作業します。カフェやコワーキングスペースにいるような程よい緊張感と連帯感が、モチベーションにつながります。作業が完了したら、ちょっと雑談をすることも。頑張る仲間と、お互いに応援して、ねぎらい合えるのは、ありがたいことでした。
リアルな職場をとりあえず、つなぎっぱなしにする
どうしても職場に行かなくてはならない人がいる時は、職場を常につないでおくのもひとつのアイデアです。在宅勤務でも、職場や同僚の姿がリアルタイムで見えると出社したような気分になれるもの。困った時に声をかけられる人がいるのもありがたいです。
立ち話的な打ち合わせの奨励
特定のメンバーで専有するのはNGだけど、オープンな会話や打ち合わせは奨励。そんな使い方が浸透すれば、ちょっとしたスタッフ間の打ち合わせは「オンライン職場」で事足りることになります。たまたま通りがかった別のスタッフから、思わぬブレイクスルーが出てくることもあるかもしれません。なんだか現実の職場のような、そんな場をオンライン上につくれると面白そうだと思っています。
新しい働き方の追求の機会に
こうしたアイデアは、次の2つの問いを考えながら実践しています。
・ 職場はそもそも、組織にどんな役割を果たしていたんだろう?
・ それはオンライン上で、どう実現できるだろう?
少し先にリモート勤務を導入したスタッフが「ネットで会議は不自由なくできるんだけど、集中するのが難しい」「会社でみんなと話したくなる」と感じたことから、職場の「会議や作業の場」以外の価値を、見つめ直すことにしたのです。
そして、よくよく考えてみると。
これらは仮に新型コロナウィルスの影響がなかったとしても、私たちの暮らし方・働き方を更新していくために、向き合うべきことだったのかもしれません。
「コロナだから仕方なく」よりも、「これを機に新しい働き方を追求しよう」の方がちょっと前向きに、クリエイティブになれるでしょうか。
そんな気持ちで、オンデザインは「実験」を続けていきます。
オンライン職場のつくり方
ここから先は技術的なお話。これまで紹介したような「スタッフ間コミュニケーション」の専用の場のつくり方として、オンデザインが試した手順と設定を紹介します。
1,新規アカウントの登録
雑談やランチに気兼ねなく使えるようにするためには、個人アカウントや会議用のアカウントの併用は避けた方が良さそうです。オンデザインでは、新たにgmailアドレスを取得し、新規アカウントを設置しました。
2,Zoomのいくつかの設定
「プロフィール」
https://zoom.us/profile
↓
「ミーティング」(左のメニュー)
https://zoom.us/meeting
↓
「パーソナルミーティング」(上部のメニュー)
↓
「このミーティングを編集する」(下の方にあるボタン)
↓
ミーティングオプションの欄の、
・「ホストの前の参加を有効にする」をON
・「待機室を有効にする」をOFF
にして、「保存」します。
3,固定URLのアナウンス
上と同様に「パーソナルミーティング」に進み、「参加用URL」をコピペして、スタッフに共有します。ブックマークしておいてもらうと、すぐに入ることができます。
以上で、ひとまずの準備は完了です。
まず、2の設定によって、いつでも(ホスト不在時でも)、
また、3のURLを知る人なら誰でも、
「オンライン職場」に入場できるようになります。
補足
ここから先は、トラブルシューティング等の必要に応じて読んでください。
Zoomの有料版へのアップグレード
オンデザインは、「オンライン職場」のZoomを有料版にアップグレードしています。利用時間の制限がなくなるのと、共同ホスト機能があることで重宝しています。
ブレイクアウトルームの設定
ブレイクアウトルームを有効にするには、設定が必要なようです。「プロフィール」→「設定」→「ミーティングにて(詳細)」→「ブレイクアウトルーム」のチェックをオンにします。
インスタントミーティングにこのIDを使用
必須ではないですが、細かな設定として、「プロフィール」→「パーソナルミーティングID」→「編集」と入り、「インスタントミーティングにこのIDを使用する」にチェックを入れておくのがおすすめです。こうすると、インスタントでmtgを立ち上げても同じ部屋をつくることができるので、混乱が少なくなると思います。
ミーティングパスワードについて
Zoomは2020年4月5日ごろから、基本的にパーソナルミーティングに入る際のパスワードを必須にしたようです。
「オンライン職場のつくり方ー3」で紹介した「参加用URL」は、このパスワード入力を省くことができる「ワンクリック用」のリンクです。逆に言えば、このURLが拡散しすぎると、いわゆるZoom爆撃のリスクも高まることになります。
「誰でも気軽に立ち寄れる」のが大切なので、ワンクリック用のURLを使うのが良いと思いますが、心配な場合は、「ミーティングID」と「パスワード」を別途で共有する、という手もあります。
ワンクリックリンクの参加用URLの作成
「オンライン職場のつくり方ー3」で紹介した「ワンクリック用」のリンクの作成は、初期設定ではONになっているようです。うまく行かない場合は、「プロフィール」→「設定」→ミーティングをスケジュールする」→「ワンクリックで参加できるように、ミーティングリンクにパスワードを埋め込みます」がONになっているか確認してください。
ホストキーの共有
ホストの常時ログインが難しい場合には、「ホストキー」も参加メンバーに共有しておきましょう。ホストがいない状況でログインした人は、キーを入力することによってホストになることができます(この記事が詳しい)。ホストキーは、「プロフィール」の下の方に欄があって、表示させることができます。
次回は、Zoomでの「会議」をする時のコミュニケーションの工夫も、簡単に紹介したいと思います。
(文責:谷明洋)
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