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丘のいえ:現場レポート2(配筋検査・型枠墨出し確認・型枠検査)


丘のいえ 現場レポート第2弾です。
今回は、何事につけても肝心かなめである、基礎についての検査をレポートします。




●配筋検査

鉄筋が設計通りのものを用いているか、鉄筋のピッチは合っているか、鉄筋を継ぐ位置は適切な場所になっているかを確認していく検査です。




型枠から鉄筋の外側が基準どおり離れているか、スケールをあてて確認していきます。
鉄筋はその名の通り、鉄なのでアルカリ性のコンクリートがちゃんとかぶっていないと錆びてしまい、耐力を発揮できなくなってしまいます。
そこで、鉄筋コンクリートの基礎は、部位ごとにコンクリートの必要なかぶり厚さをとるよう、建築基準法で定められています。




耐圧版の配筋が設計通りのピッチで施工されているかを確認しています。




基礎の立上がりの鉄筋を確認です。
基礎のコンクリート打設手順は、まず耐圧版を打設し、その後立上がりの型枠を組んで、もう一度立上がりのコンクリートを打設します。
そもそも一体となって力を発揮するものを別々に打設するのですから、耐圧版の鉄筋と立上がりの鉄筋がしっかり定着していなければなりません。
鉄筋同士の定着寸法はやはり建築基準法で決められており、この段階でその寸法も確認していきます。




アンカーボルトという土台を引き寄せる金物です。
適切な場所に配置されているか、根元がしっかり規定されている寸法まで埋め込まれているかを確認していきます。




柱に取り付けるホールダウン金物のアンカー金物も、位置とコンクリートの中に入る定着長さがとれているか確認します。


いつも配筋検査を行う際は慎重になります。
検査にあたり確認もれがないよう、事前に基礎の図面の中にチェック項目をずらっと書き出しておいてから、現場に向かうようにしています。
配筋検査には、瑕疵担保保険の検査員も来て、チェックを行っていきました。

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●型枠墨出し確認

コンクリートの養生期間を経た後、耐圧版に立上がり型枠を組むために基準となる墨出しをしていきます。




耐圧版のコンクリートが打設された様子です。
型枠を組むに先立ち、設計通りの立上がり幅をとって墨出しされているか、また立上がりの鉄筋と型枠の墨位置が建築基準法で定められている離れをとって墨出しをされているかをチェックしていきます。




耐圧版のコンクリート打設時に、慎重に施工しても、立上がり鉄筋が動いてしまうこともあります。
そういった場合は、コンクリートのかぶり厚さがとれなくなってしまいますので、必要な離れの寸法を確保するため、支障がない範囲で鉄筋を立入れ直ししてもらったり、基礎幅を増やしてもらうようお願いします。
今回も一部許容できない箇所があったので、型枠位置を変更してほしいとお願いをしました。




雨続きのお天気に悩まされ、なかなか墨出しができずで
現場監督の藤井さんも職人さんと一緒になって、耐圧版に墨打ちをしていたのでした。

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●型枠検査

基礎の立ち上がりコンクリートの打設の前に、型枠の位置や高さが正しいか、基準法で定められているかぶり厚さを取って型枠が施工されているかをチェックしていきます。




前日に大雨が降ってしまい、型枠を境目にしてそこらじゅう水たまりだらけになってしまいました。
翌日には立上がりコンクリート打設を控えているため、足元が悪い中を職人さん方が大急ぎで作業しています。




型枠から鉄筋の外側がどれくらい離れているか、スケールをあてて確認していきます。




基礎立上がりに設備配管取り回し用の穴を開けるため、スリーブを入れています。
補強筋が入っていない部分が少々見受けられたので、一通り見回った後で追加をお願いしました。


この検査時に、規定のかぶり厚さ(鉄筋と型枠の離れ)が取れていない場合、しっかり離れがとれるように型枠の位置を直してもらったりすることもあります。
手際よく型枠を組んでいく職人さんには申し訳ないのですが、建物にとっては肝心な部分ですので、心を鬼にし、顔は笑顔、口調は低姿勢で手直しをお願いしました。

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翌日にはコンクリートミキサー車が来て、無事この型枠の中にコンクリートを打設していきました。
さて、次回はいよいよ木工事のスタートにして晴れ舞台、建て方と上棟式です。
丘のいえ の輪郭が一気に立ち上がっていき、
図面や模型で今まで検討してきたイメージやスケール感が、目の前に現れる瞬間に立ち会えます。


ゴトウ